銀塩の魅力
デジカメで撮る枚数が増えるほど
フィルムの持つ世界や、写真に対する考えがいかに鈍くなってしまった事かよく分かる。
そもそも写真は闇雲にシャッターを切ってはいけないのである。
デジカメの魅力は、何といっても底なしに近い撮影枚数だ。
メモリーさえ確保しておけば幾らでも撮影できる。しかもその場で確認だ。
数打ちゃ当たるとばかりに連射していては、一枚一枚に対して魂が込められない。
例えば風景など自然を撮り収めたくて山道に入った場合、
デジカメなら歩きながら良いと思った場所をとりあえずパシャパシャ撮影する。
フィルムなら、撮る前に頭の中でフィルムの本数と枚数を考えると無闇にシャッターは押せない。
「この場所の風景や花より、さっきの場所が良かったな」と、引き返したりして
山道に入っても周囲を良く観察して撮影するようになる。シャッターボタンを押す指から
魂がフィルムへ放出され、写真が生き生きしたり印象深い陰影に変化してしまうのだ。
リバーサルは新しめのCANONで、モノクロは古いASAHI PENTAXで・・・
と、使い分けて一枚一枚を作り上げる行程は画家が真っ白なキャンバスに絵の具を含んだ
筆を思い思いに動かす行為と何ら変わりのない、芸術なのだ。
CANON EOS-3
CANON 550EX