九州縦断自転車の旅〜5/7〜
昨日の天気が嘘のような熱き一日・・・
今日はお茶と平和の町知覧へ行く事に。
鹿児島の市内は珍しく平坦だったが、知覧へ行くには大きな峠を越えなければならない。
友人宅を後にし、国道を通り知覧へ続く峠の入り口に立つ。
勾配はきつめだけど距離が短い。予定よりも早く昼過ぎに知覧へ到着。
峠は雨じゃないと気力の消耗が少ないから楽だ。
片道の燃料と、大量の爆弾を積んだペラペラの鉄板の機体で
多くの若者がここから飛び立った。
若くは17才、高校2年生ではないか。
未熟な操縦技術、愛する家族との別れ、
特攻隊に任命されてから、長い日々を自ら命を絶つ、その訓練に当てる。
自ら国の為に死ぬ技術を体得させるのだ。
ここ特攻記念会館には、飛び立った若者の写真が壁に飾られている。
私より遙かに年下の若者達が、私よりずっと大人に見える。
平和な時代に生きる私はなんてわがままな暮らしをしているのだろう。
ここには、ある目的があってやって来た。
多くの若者の写真の中から、私は見つけた。
そう思える証拠はないけど、
見た瞬間、気づいちゃった。
小さな頃から時折脳裏をかすめる映像、
行った事の無い記憶の場所。
低く振動を伴う不等調なエンジン音。
空から見た戦艦の回避行動。
風防の隙間から勢い良く吹き込む風、
激しく揺れ動く計器の針と金属が擦れる音。
オイルと汗と血の匂い。
私の探していた人がやっぱりそこにいたのだ。
5月21日 走行距離 110km 〜〜Kai〜〜